作業手順書の作り方。エクセルで1作業1枚にする
結論から、いきます。作業手順書が使われないのは、書き方が下手だからではありません。長い・探せない・古い、の3つです。
何十ページもある手順書を作った。でも現場では誰も開かない。結局、ベテランに聞く。よくある話です。
今日は、1作業をエクセル1枚に収める作り方を置いていきます。
作業手順書は、なぜ使われないのか?
3つのどれかに当たっています。
| 理由 | 現場で起きていること |
|---|---|
| 長い | 1つの作業を確かめたいだけなのに、20ページめくる |
| 探せない | どのファイルか、どの棚の紙か分からない |
| 古い | 書いてある手順と、今のやり方が違う |
1つでも当たると、現場はベテランに聞きに行きます。聞けば早いからです。そしてベテランの手が止まります。
エクセルで作るなら、どう組むのか?
1作業を、A4横1枚に収めます。
上の枠に、4つだけ書きます。
作業名:__________ 対象(品番・機械):__________
所要時間の目安:____分 更新日:____年__月__日(更新者:____)
本体は4列です。
| A:手順 | B:やること | C:写真 | D:できたかの見分け方 |
|---|---|---|---|
| 1 | 治具Aを取り付ける | (写真) | 赤い印が上にそろっている |
| 2 | 材料を奥まで差し込む | (写真) | 手前の線が見えない |
| 3 | 締め付けて確認する | (写真) | 指で押して動かない |
⚠ D列(見分け方)がいちばん大事です。「やること」だけの手順書は、終わったかどうかが分かりません。できたかどうかを、目で見て決められる言葉で書いてください。
⚠ 1枚に収まらないときは、作業を分けます。長くして1枚に詰め込むのではありません。
写真は、どう入れればいいのか?
1手順に1枚まで。2枚目を入れたくなったら、手順を分けます。
エクセルに写真を貼ると、行の高さを変えたときに隣の手順にはみ出すことがあります。エクセルの既定では、図は「セルに合わせて移動するがサイズ変更はしない」設定になっているからです。
直し方はこれです。
- 写真を右クリック →「図の書式設定」
- 「サイズとプロパティ」→「プロパティ」
- 「セルに合わせて移動やサイズ変更をする」を選ぶ
⚠ 写真を入れるセルの大きさを先に決めてから貼ってください。全部の写真が同じ大きさにそろい、見た目で迷いません。
書かないほうがいいことは、何か?
判断が要る場面です。
「異常があれば適切に対処する」。こう書いても、何が異常で、何が適切かは分かりません。そこを文章で書こうとすると、手順書はどんどん長くなります。そして読まれなくなります。
手順書は「いつもの作業を、いつもどおりに終える」ためのものと割り切ってください。判断が要るところは、こう書きます。
手順4:音がいつもと違ったら、ここで止めて〇〇さんを呼ぶ
判断の中身は、人が横で教えたほうが早く、正確に伝わります。
古くならないようにするには?
置き場所を1か所にして、更新日と更新者を必ず書きます。
いちばん困るのは、印刷した紙が現場に何枚も残ることです。どれが最新か分かりません。
- ファイルは共有フォルダの1か所にまとめる
- 紙を貼るなら、元のファイルの場所と更新日を紙にも入れる
- やり方が変わったら、変えた人がその日のうちに直す
置き場所を1か所にまとめる考え方は、図面管理システムの自作と同じです。探せないものは、無いのと同じです。
AIを使うと、何が変わるのか?
ゼロから書く時間が減ります。
過去の手順書や指示書を見本として渡し、新しい作業の下書きを作らせることができます。実際に、図面と過去の指示書から、作業指示書の下書きを作る仕組みを作って納めたことがあります。
分かったことは2つです。
- 下書きは必ず人が直す前提で組む。現場の言葉とずれることがあるからです
- 判断が要る工程まで書かせない。書かせると、確認の手間のほうが増えます
どこまで任せていいかの線引きは、AI導入の失敗は5つに集中するに書きました。
今日やること
いちばん人に聞かれる作業を1つ選んで、紙に3行書いてください。
① その作業は、何手順で終わるか:____手順
② 終わったかどうかを、目で見て決める言葉:__________
③ 判断が要るところで、誰を呼ぶか:__________
①が10を超えたら、作業を2つに分けてください。それが1枚に収める一番の近道です。
「うちは人に教わって覚える現場だから」と思われたかもしれません。それで大丈夫です。手順書は、教える人の代わりではなく、教える人が同じことを何度も言わなくて済むためのものです。応援しています!
よくある質問
作業手順書は、エクセルでどう作ればいいですか?
1作業をA4横1枚に収めます。上に作業名・対象・所要時間・更新日を置き、本体は「手順番号・やること・写真・できたかの見分け方」の4列で組みます。1枚に収まらないときは作業を分けてください。長い手順書は現場で開かれません。写真は1手順1枚まで、文章は1手順1〜2行が目安です。
エクセルに貼った写真がずれるのを防ぐには?
図を右クリックして「図の書式設定」から「サイズとプロパティ」の「プロパティ」を開き、「セルに合わせて移動やサイズ変更をする」を選んでください。エクセルの既定は「セルに合わせて移動するがサイズ変更はしない」なので、行の高さを変えたときに写真が隣の手順にはみ出すことがあります。写真を入れるセルの大きさを先に決めてから貼ると、そろって見えます。
作業手順書に書かないほうがいいことはありますか?
判断が要る場面と、例外の処理です。「異常があれば対処する」のように判断を文章で書こうとすると長くなり、結局読まれません。手順書は「いつもの作業を、いつもどおりに終える」ためのものと割り切り、判断が要る場面では「ここで止めて〇〇さんに聞く」と書いてください。判断の中身は、人が教えたほうが早く正確に伝わります。
作った手順書が古くならないようにするには?
置き場所を1か所にして、更新日と更新した人を必ず書きます。印刷した紙が現場に何枚も残ると、どれが最新か分からなくなります。紙を貼る場合も、元のファイルの置き場所と更新日を紙に入れておくと、古い紙に気づけます。やり方が変わったら、変えた人がその日のうちに直す、と決めておくと止まりません。
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