そのポイントカード、逆効果かも。常連づくりで“割引”より効くもの

そのポイントカード、逆効果かも。常連づくりで“割引”より効くもの

結論から、いきます。 「リピーター対策、何かやってますか?」と聞くと、たいてい返ってくるのが「ポイントカードやってます」。でも、設計を間違えたポイントカードは、常連を増やさず、利益だけを削ります。今日は“逆効果カード”の見分け方と、割引に頼らない常連づくりの話です。

ポイントカードが「逆効果」になる3つのパターン

① どうせ来る人に、割引を配ってるだけ

いちばん多いパターンです。考えてみてください。ポイントを熱心に貯めるのは、誰ですか? ——もともと通ってくれてる常連さんですよね。

つまり、カードがなくても来てくれる人に、割引だけ配っている。新しい来店は1回も増えていないのに、10回に1回タダになる。これ、リピート対策の顔をした「値引きの先送り」です。(値引きがどれだけ利益を溶かすかは、安売りが利益を溶かす仕組みで計算した通りです。)

② ゴールが遠すぎて、忘れられる

「20個貯めたら500円引き」。お客さんからすると、遠すぎて“無”です。財布の中で他の店のカード10枚と一緒に眠って、そのまま忘れられる。進んでる感じがしないカードは、存在しないのと同じなんです。

③ 隣の店と同じで、差別化にならない

どの店もポイントカードをやってる時代です。「うちもやってる」は、もう理由になりません。同じ仕組みなら、比べられるのは結局“割引率”——また値引き競争に逆戻りです。

そもそも、人はポイントで通うのか?

ここで一回、自分に問いかけてほしいんです。あなた自身、ポイントカードのために通ってる店、何軒ありますか?

……たぶん、ほぼ無いですよね。通ってる店を思い浮かべると、理由は「近い」「うまい」「感じがいい」「覚えててくれる」。**ポイントは“通う理由”じゃなくて、“通ってるついでの回収”**なんです。

つまりリピートの本体は、割引じゃない。「また来たい」という感情です。ここを飛ばしてカードだけ配るから、逆効果になる。

割引より効く、「また来たい」の作り方

お金がかからない順に並べます。

  1. 名前と好みを覚える……「いつもの、で大丈夫ですか?」の一言は、どんな割引より強い。人は“自分を覚えててくれる場所”に帰ってきます。
  2. 次回の楽しみを一言そえる……「来週、新物が入りますよ」「次の季節メニューは◯◯です」。次に来る理由を、帰り際にそっと渡す。
  3. ご無沙汰さんにひと声……来店間隔が空いた人に、売り込みなしの軽い連絡。(見つけ方は離れていく常連さんはデータで気づけるへ)

全部、割引ゼロ円。しかも隣の店に真似されにくい。接客の場面ごとの積み重ね方はリピート客を増やす方法にも書きました。

それでもポイントカードをやるなら——効く設計に直す

カード自体が悪なんじゃありません。やるなら、こう直してください。

  • 最初から進んでる状態で渡す(10個中2個押してから渡す——人は“進捗があるもの”を完成させたくなる)
  • ゴールを近くする(20個より5個。小さく早く達成させて、次のカードへ)
  • 割引じゃなく“ここだけの特典”にする(非売品・裏メニュー・優先案内——原価が軽く、差別化にもなる)

ただし順番は忘れずに。カードは「また来たい」の補助輪であって、本体じゃありません。

今日やること

今日は1つだけ。常連さん1人の「名前と好み」を、意識して覚えて、次に来たとき使ってみる

「◯◯さん、いつもの席あいてますよ」——この一言の威力を体感したら、ポイント10個ぶんの割引が要らなくなる理由が、腹落ちするはずです。応援しています!

よくある質問

ポイントカードはリピーター対策として効果がありますか?

設計次第です。「どうせ来る常連さんが割引を受けるだけ」になっているカードは、リピートを増やさず利益だけを削ります。効くのは、次回来店の理由(期限・特典・進捗感)を作る設計になっている場合です。

ポイントカードが逆効果になるのは、どんなときですか?

①どうせ来る人に割引を配っているだけ、②ゴールが遠すぎて途中で忘れられる、③他店と同じ仕組みで差別化にならない——の3つが典型です。特に①は「値引きの先送り」にしかならず、利益を静かに削ります。

割引以外で、また来てもらう方法はありますか?

あります。名前や好みを覚える、次回の楽しみを一言添える(次の入荷・季節メニュー)、来店間隔が空いた人にひと声かける——といった“関係の設計”です。割引より原価がかからず、真似もされにくい方法です。

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