経営診断書の作成を依頼する前に。確認するのは5つ

経営診断書の作成を依頼する前に。確認するのは5つ

結論から、いきます。経営診断書を作れるのは、中小企業診断士か公認会計士だけです。

産業廃棄物処理業の許可更新で、決算の内容によっては提出を求められる書類です。行政書士の先生に申請を頼んでいても、この書類だけは別に依頼が要ります。

今日は、依頼する前に確認しておく5つを置いていきます。先に決まっていれば、やり取りが1往復で済みます。

① 提出先の自治体の基準を、先に見ましたか

基準は、提出先ごとに定められています。

愛知県の場合は「産業廃棄物収集運搬業(積替保管を除く。)の経理的基礎に関する審査基準」(令和3年9月6日改正)があり、利益は「経常利益金額等」=経常利益+減価償却費で見ます。

同じ決算書でも、提出先が変われば判定が変わることがあります。まず管轄の窓口で、求められる書類と基準を確かめてください。

判定の中身は産廃の経理的基礎、決算書3期で確かめるに、入口の3条件と組み合わせの表で書きました。

② いつまでに必要ですか

ここが最初に共有されないと、受けられるかどうかが決まりません。

そして、もう1つ大事な前提があります。直前期の決算が確定していないと作れません。5年間の収支計画は、直前期の数字を起点に組み立てるからです。

⚠ 更新申請の受付時期は自治体ごとに定めがあります。「いつからいつまでに出すのか」を窓口で確かめ、そこから逆算してください。期限の考え方は産廃の許可更新、いつから動くかに書いています。

③ 何を渡すか、決まっていますか

基本は、直近3期の決算書一式です。

渡すもの中身
決算書 3期分貸借対照表・損益計算書・販管費や原価の内訳・株主資本等変動計算書・個別注記表
借入の状況残高と返済の予定が分かるもの
今後の見込み受注の予定、単価や数量の見通し。口頭でも構いません

3つ目が、実はいちばん効きます。5年で健全な経営の軌道に乗ることを示す書類なので、これから何をするつもりなのかが要ります。数字だけでは書けません。

更新申請そのものに必要な書類は産廃収集運搬の許可更新、必要書類(愛知県)にまとめました。

④ 費用に、どこまで含まれますか

報酬は作成者によって違います。

愛知県中小企業診断士協会も、作成依頼先の名簿の案内でこう書いています。

報酬等の諸条件については中小企業診断士によって異なる場合がございます。事前に確認されてから依頼されることをお勧めします。

金額だけでなく、次の3つが含まれるかを確かめてください。

  • 直近3期の財務の分析
  • 5年間の収支計画の作成
  • 窓口から差し戻しがあったときの対応

⑤ 窓口は、誰に一本化しますか

行政書士の先生に申請を頼んでいる場合、ここを決めておくと事故が減ります。

先生は、提出先・期限・申請の種類(収集運搬だけか、処分を含むか)を把握しています。その情報が診断士に伝わらないまま作り始めると、作り直しになります。

よくある流れはこうです。

先生 → 診断士へ:提出先・期限・申請の種類を伝える
事業者 → 診断士へ:決算書3期分ほかを渡す
診断士 → 先生へ:完成した経営診断書を渡す
先生:申請書類に綴じ込んで提出

事業者・先生・診断士の3者で、同じ期限を共有しておいてください。「先生は3月末だと思っていたが、実は2月末だった」が起きます。

依頼先は、どうやって探すのか

愛知県中小企業診断士協会が、名簿を公開しています。

産業廃棄物処理業の許可申請にあたって、中小企業診断士が作成した経理的診断報告書の作成依頼先を探す事業者のために掲載されているものです。掲載されているのは、協会の会員で、かつ掲載を希望した診断士です。

⚠ 協会の案内には、「この名簿に記載されている方以外は作成できないという意味ではございません」とあります。名簿の外の診断士・会計士にも依頼できます。

問い合わせは、名簿に載っている連絡先へ直接行う形です。協会は内容についての質問には対応していません。

今日やること

電話をかける前に、紙に3行書いてください。

① 提出先の自治体と、提出の期限:__________
② 直前期の決算は確定しているか:__________
③ 申請を頼んでいる先生がいるか(いれば連絡先):__________

この3つが埋まっていれば、最初の電話で「受けられるかどうか」まで話が進みます。

「決算が赤字だから、頼んでも断られるのでは」と思われたかもしれません。赤字や債務超過でも、5年で立て直す道筋を示せる場合があります。まず①と②を確かめてください。そこからです。応援しています!

よくある質問

経営診断書は誰に依頼すればいいですか?

作成できるのは中小企業診断士か公認会計士です。愛知県の審査基準では、今後5年間の事業に係る収支計画に基づいて中小企業診断士または公認会計士が作成したもの、と定められています。行政書士の先生に許可申請そのものを依頼している場合でも、この書類は別に診断士か会計士へ依頼が必要です。愛知県中小企業診断士協会は、作成依頼先を探す事業者向けに会員診断士の名簿を公開しています。

依頼するとき、何を渡せばいいですか?

直近3期の決算書一式(貸借対照表・損益計算書・販管費や原価の内訳・株主資本等変動計算書・個別注記表)が基本です。あわせて、借入の残高が分かる書類と、今期以降の受注の見込みが分かるものがあると、収支計画を組みやすくなります。直前期の決算が確定していないと作成できないため、決算の状況も先に伝えてください。

費用の相場はどれくらいですか?

報酬は作成者によって異なります。愛知県中小企業診断士協会も、名簿の案内で「報酬等の諸条件については中小企業診断士によって異なる場合がございます。事前に確認されてから依頼されることをお勧めします」としています。金額だけでなく、直近3期の分析と5年間の収支計画がどこまで含まれるか、行政の窓口から差し戻しがあった場合の対応が含まれるかまで確認してください。

行政書士の先生に申請を頼んでいる場合、どう進めますか?

窓口を先生に一本化するのが確実です。提出先の自治体、提出期限、申請の種類(収集運搬だけか処分を含むか)は先生が把握しているので、診断士がその情報を先生から受け取る形にすると行き違いが減ります。事業者が決算書を診断士へ直接渡し、完成した経営診断書を先生の申請書類に綴じ込む流れが一般的です。

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