値上げする商品はデータで選ぶ。客離れを防ぐ3ステップ
結論から、いきます。 値上げで客離れが起きるのは、値上げ“そのもの”のせいじゃありません。“どの商品から上げるか”を勘で決めてるのが原因です。ここをデータで選べば、常連を逃さずに、ちゃんと利益を残せます。
「全部いっせいに値上げ」が、いちばん危ない
コストが上がると、多くの社長がこう考えます。「じゃあ、全体的にちょっとずつ上げよう」と。
気持ちは分かります。でも、これがいちばん客離れを招くやり方なんです。
なぜか。お客さんが「高っ」と敏感に反応する商品と、多少上がっても気にしない商品は、バラバラだから。全部を一律に上げると、上げちゃいけない商品まで上げてしまい、常連が静かに、でも確実に離れていく。値上げは「面(ぜんぶ)」でやるものじゃない。「点(どれ)」で選ぶものなんです。
なぜ“勘”じゃなく“データ”で選ぶのか?
機械が1台調子悪くなったとき、丸ごと新品に交換する人はいませんよね。どこが悪いかを調べて、そこだけ手を入れる。そのほうが安いし、確実だから。
値上げも、まったく同じ発想です。ぜんぶ上げるんじゃない。「上げても客が離れにくくて、利益に効く商品」だけを狙い撃ちする。 そのために、勘じゃなくデータで見る。むずかしい話じゃありません。順番にいきましょう。
値上げする商品を選ぶ3ステップ
ステップ1:商品を「利益への効き」で並べる
まずエクセルで、商品ごとの売上と、できれば**利益(売上−仕入・原価)**を並べます。狙いは「会社の利益を支えてる商品はどれか」を数字で確かめること。
やってみると、「看板だと思ってた商品、実はあんまり利益生んでない」なんてこと、平気で起きます。(この“並べる”作業はエクセルで始める売上分析と同じ手順なので、そちらもどうぞ。)
ステップ2:「上げても離れにくい商品」を見分ける
次に、それぞれの商品を、この2つの目で見ます。
| 見るポイント | 値上げしやすい | 値上げしにくい |
|---|---|---|
| 代わりがあるか | 他で買えない・自社ならでは | どこでも買える |
| 何で選ばれてるか | 品質・信頼・関係で選ばれてる | 価格だけで選ばれてる |
ここ、めちゃくちゃ大事です。「価格だけで選ばれてる商品」を上げると、離れます。 だって、その人たちは“安さ”を買ってるから。逆に「あなたから買う理由がある商品」は、ちょっと上げても常連は離れません。この見極めを間違えないこと。
ステップ3:小さく上げて、反応を見る
いきなり大幅に上げちゃダメ。選んだ商品を、まず少しだけ上げて反応を見ます。 離れが出なければ次へ。反応が出たら理由を確かめる。
一気にやらないから、もし外しても傷が浅い。じわじわ試して、正解を見つけにいく。これが安全なやり方です。
「値上げが怖い」社長へ:安売りは利益を“溶かす”
「値上げしたら客が減る」——その不安、分かります。でも、忘れないでほしいことが1つ。安売りは、利益を静かに溶かしてます。
同じ利益を出すのに、安いほどたくさん売らなきゃいけない。現場は疲れる、忙しいのに儲からない。(このへんの話は「ただの床屋」から脱却するにも通じます。)
大事なのは「上げるか・下げるか」の二択じゃない。どの商品を、どれだけ、どんな順番で上げるか。そこをデータで選べば、値上げは“怖いもの”から“利益を残す武器”に変わります。
今日やること
今日は、商品を「利益の大きい順」に紙かエクセルに並べる。まずそれだけ。
そのうえで、上位の商品に「これは他で買える?」「価格だけで選ばれてる?」と問いかけてみてください。値上げの“第一候補”が、きっと1つ見つかります。そこから、小さく。
怖がらなくて大丈夫。順番さえ間違えなければ、値上げはあなたの味方です。応援しています!
よくある質問
値上げすると常連が離れそうで怖いです。どうすれば?
全部を一律に上げないことです。まず商品を利益で並べ、『あなたから買う理由がある(=価格以外で選ばれている)商品』から小さく上げて反応を見ます。価格だけで選ばれている商品は上げると離れやすいので、そこは慎重に。
どの商品から値上げすればいいか分かりません。
『代わりがあるか』『価格だけで選ばれているか』の2つで見分けます。他で買えない・信頼で選ばれている商品は上げても離れにくく、値上げの候補になります。逆に、どこでも買えて価格だけで選ばれている商品は後回しです。
値上げより、安くして数を売る方がいいのでは?
安売りは同じ利益を出すのに多く売る必要があり、現場が疲れて利益も残りにくくなります。上げるか下げるかより、『どの商品をどんな順番で上げるか』をデータで決めるのが、利益を残す近道です。
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